戻る NO4 笠じぞう NO5 節分の鬼

むかし、むかしこんなことがあったげな
雪深い山奥に、しょうじきもののおじいさんと
おばあさがいました。二人はわらじを編んでは、
それを売ってほそぼそと暮していました。
お正月まじかのある日
「わらじを売って正月の食べ物を買ってくるとしょう」
おじいさんは、てぬぐいでほっかむりをして
町へ売りに行くことにしました。「ひゃあ、さむいな〜」
峠までくるとおじぞうさんが六つ、ならんでいました。
頭は雪がいっぱいつもっていました。
「おうおう、さぞかし、さむかろうの〜」
ほっかむりしていたてぬぐいで雪をはらいのけてやり
おじいさんは町までいそぎました。
わらじはやっとこせで、売れました。
そのお金でおじいさんは編み笠を買うことにしました。
しかし、五つしか、買うことができませんでした。
そして帰り道峠のおじぞうさんのところにくると
一つ一つおじぞうさんにかぶせてあげました。
六つ目のおじぞうさんには自分がかぶっていた、
てぬぐいをかぶせてあげました。家につくとおじいさんは
おじぞうさんに笠を買ってかぶせてあげたことを話し
「なにも買ってこれんですまないの〜」とあやまりましたが
おばあさんは「そら、ええことされましたな」と喜んでくれました。
その夜のことでした。「えっさこらさ、えっさこらさ」だれかが、
おもいものを運ぶ声が聞こえてきました
おじいさん、おばあさんが家の外を見てみると
野菜や果物や米俵や反物などがどっさりおいてありました。
笠をかぶった五つのおじぞうさんとほっかむりした
おじぞうさんが笠のお礼においていってくれたのでした。
おくられたおくりもので、二人は幸せにくらしたげな。