戻る NO34 狸の手習い N035 大きな運と小さな運へ


むかし、むかしある寺に源哲という新しい
お尚さんがやってきました。村人たちは新しい
お尚さんにあいさつをしょうと畑仕事を終えると
寺にやってきました。「こんにちは、お尚さん」
「どこにもおらんようじゃが」
と言いながら
お尚さんを探すと、なんと源哲お尚さんは
お堂の屋根の上で酒をのんでござった。これには
村人たちもすっかりあきれて「坊主のくせに昼間から
酒を飲んでいるとは」
「あんなやつ相手にしとれんわい」
と帰ってしまいました。


村人からは相手にされ
なくなった源哲お尚ですが
裏山にすむ子たぬきたち
には気にいられてしまった
のじゃった。「おもしろそうなお尚さんだで遊んでくれる
かもしれん」
「お尚さん、
おらたちになにか
教えてくれ」

子だぬきたちは人間の
子供に化けて遊びに
行ったのです

子供ずきな源哲お尚は
「いいとも、いいとも
それじゃあ読み書きを
教えてやろう」
と熱心に
教えてやったんじゃ
「おしようさんかき
どう?書くんじゃ?

一つ文字をおぼえると
二つ目をおぼえたくなって
子だぬきたちはたいそう
読み書きがじょうずに
なったそうな。

源哲お尚と子たぬきが楽しそうにしているのを
見た村の子供たちが仲間に入れてくれと
やってきた。こうして、村の子どもたちも、
一緒に手習いをするようになった。
そんなある日の事、村の子供たちは、
近くの川でとった魚を、源哲おしょうに差し出しました。
「勉強を教えてくれるお礼だよ。酒のさかなにしておくれ」
その日の帰り、子だぬきたちは集まって相談をしました。
「人間の子がお尚さんに勉強を教えてくれる
お礼をしたぞおらたちも何かお礼をせんとな」

「そうだとも恩は返さないけん」
「そう言えばお尚さんは、雨の日に酒を買いに
いくのがなんぎじゃと言うとられたぞ。」



2頁へいくよ〜