戻る NO28  ぶんぶくちゃがま NO29 かちかち山へ



むかし あるところに びんぼうな 古道具屋さん
がいました。ある日のこと 仕事を おえて 家に
帰る途中わなにかかっている たぬきをみつけました。
わなをはずし たぬきをたすけてやりました。
「くるしかったろう。さあ、はやく おにげ。」
たぬきは嬉しそうに山の中へとかけていきました。
あくる日の朝 昨日のたぬきが古道具屋にやってきて
言いました。
「昨日は本当に有難うございました。
なにかお礼がしたくてきました。私が茶がまに
化けますから、お寺に持っていって、売って下さい。」

そう言うと ぽうんと ひくっりかえりかえり 
ちちん ぷいぷい 立派な茶がまに化けました。
さっそく古道具屋が
お寺に持っていくと
お茶好きなおしょうさんは ひとめみるなり すっかり 
茶がまが 気に入って
しまいました。
「これは見事な茶がま
じゃのうぜひわしに
ゆずってくだされ」

高い値段で買って
くれました。
「この茶がまでお茶を
入れたらさぞかし
おいしいことじゃろ」

おしょうさんは、こぞうさんを
呼んで言いつけました。
「この茶がまを洗っておくれ」
こぞうさんが井戸端で、
茶がまをごしごし こすると
「イテッテ〜 痛いよ〜」
茶がまがさけんだのです。
こぞうさんはびっくり。
「お尚さん。茶がまが、
くちをききました。」

「しんぱいするな、それは、
きっと、茶がまの 
こすれる音じゃよ。」


こぞうさんは茶がまに水を
入れ いろりにかけました。
しばらくすると ぶんぶく
ぶんぶく茶がまのお湯が
わいてきました。すると、
また
「あっちっち、あついよ」
茶がまが大声でさけんで
ぐらぐらゆれだしたのです。
そして しっぽがはえて
あたまと あしがでて
ちゃがまはみるみるうちに
たぬきの姿になって山にむかって逃げていきました。

その夜 たぬきは 古道具屋に やってきて言いました。
「こんどはうまくやってみせますから、見世物小屋を
開いて下さい。」
 そこで古道具屋は たぬきに
ぶんぶく茶がまと 名前をつけると、見世物小屋を、
ひらきました。
「さあ いらっしゃい ぶんぶく茶がまが 
げいを みせるよ みなきゃそんだよ。」
 古道具屋の
こんな呼びかけに見世物小屋はたちまち 
お客さんでいっぱいになりました。ぶんぶく茶がまが 
おどりだすとみんな手をたたいて おおよろこび。
つなわたりをすると拍手喝さい。
ぶんぶく茶がまの うわさは とおくまで ひろまり
見世物小屋は 毎日 満員になりました。こうして
古道具屋はたぬきのおかげでたいそうな 
おかねもちになりましたとさ。