戻る NO23 赤ん坊になったお婆さん NO24 たのきゅう


むかしむかし、あるところに、年老いたおじいさんとおばあさんが
住んでいました。ある日のこと、おじいさんは山にしば刈りに
でかけました。その日は暑い日じゃった。おじいさんは、のどが
かわいてたまらんかった。小さな泉を見つけると、手で
すくってその水をのんだ。その水はなんともあま〜い
おいしい水じゃった。おじいさんはなんだかとても元気が
出てきたような気がしました。一口、二口とのめばのむ
ほどに体じゅうに力がみなぎってくるような気持ちじゃった。
そして、のぞきこんだ水面にゆらゆらとうつる若々しい顔をみて
おじいさんはびっくり。「ありゃ〜こりゃいったいだれじゃろ。
まさかこのわし?」自分だとは分かりません。
そしてはっと!気がつきました。
「わ、わしじゃ〜わしじゃ〜わしがわかがえったのじゃ〜。
この水はわかがえりの水じゃた〜。」すっかりわかがえって
しまったおじいさんは、大喜びで足どりも軽くおばあさんの
待つ家に帰りました。
「いま帰ったよ、おばあさん」
家に入ってきたおじいさんを見た、おばあさんは
「はあ、どこの若い衆かいのう。なんのご用で?」
「なにをいうてる、ばあさんや。わしじゃよ、わしじゃ。」

「どこのわしさんですかいのう。」
といいながら、おばあさんはふと、
若い衆の着物に目をやった。
「はて〜、これはおじいさんが着ていたものじゃのう。」
「わしがわしの着物を着ていてどこがおかしい」

「その声はおじいさんの声じゃ〜。その顔はおじいさんの
若いときの顔じゃ〜おじいさんが若がえった〜」

おじいさんはおばあさんにいうた。
「わし一人で若がえってはすまんでのう。
おばあさんにも若がえってもらわなにゃ。
おばあさん明日まで待てるかい。」

「待てるとも、年よりは気がながいからのう。」

夜が明けて、目がさめたおじいさんは、となりを見ると、
おばあさんのすがたはなかった。朝になるのがまちきれんかった
おばあさんは一人で若がえりの水をのみに山へ
でかけたのじやった。ところが、昼になってもおばあさんは
帰ってこんかった。
「道にでも迷ったじゃろか」おじいさんは
心配になってきた。とうとう夕方になってしまった。
待ちきれんくなったおじいさんは山へむかえにいったんじゃ。

そして、あの泉の前で見おぼえのある
おばあさんの着物の中で、赤んぼうがないておった。
それはまちがいなくおばあさんだった。
おじいさんをよろこばそうとたらふく水をのみすぎてしまった
おばあさんは、若がえりすぎて、赤んぼうになってしもうたんじゃ。
おじいさんは赤んぼうをだいて家にかへったんじゃと。
それからのおじいさんは赤んぼうの世話で、
とてもいそがしくなったということじゃ。