戻る  NO17 貧乏神と福の神 NO18ねずみのすもう


むかしむかし、ある村に、ものすご〜くびんぼうな
男がおった。じつはこの家にはびんぼう神が
すみついておったんじゃ。
「この家はすみごごちがよくての〜」
これではいくら一生懸命に働いても暮らしは
よくなりません。男はすかっりあきらめて、毎日ぼうっと
しておったそうな。そんなある日男の暮らしぶりを
見かねた村の人が嫁ごを世話してやった。
この嫁ご、めんこいうえに働きものじゃった。
嫁ごだけ働かせておくわけにいかんで、
男もまたせっせとはたらくようになった。
そうなると困ったのがびんぼう神じゃ。
「だんだんここにはいずらくなってきたの〜
わしはどうしたいいんじゃ」と元気がなくなってきた。
それから何年かたった、ある大晦日のこと。
男の家ではわずかながらもごちそうを用意して
正月をむかえようというとき・・うえ〜ん、うえ〜んと
泣き声が天井裏から聞こえてきた。
男が見にいくと、きたない身なりの男が
泣いておった。「あんたは、だれじゃね」

「わしはびんぼう神じゃ。おまえら夫婦が
あまりよく働くので、今夜、福の神がやってくるんで
わしゃ出ていかなきゃならんのじゃ。」

家の守り神がびんぼう神と聞いて少しがっかりしました
それでも神さまは神さまじゃ。
下におりてもらい嫁ごにわけを話した。
びんぼう神がかわいそうになった男は

「せっかく長いことおったんじゃ、これからもずっと、
ここにおってくだされ」
嫁ごも「そうじゃ、そうじゃ。それがええ」
びんぼう神はやさしい言葉をかけられ、うえ〜んうえ〜んと
うれし泣きじゃあ。こうしているうちに除夜の鐘がなりはじめた。
神さまの交代の合図なんじゃと。そのときトントントンと戸を
たたく音がした。「どなたじゃな?」
「福の神でございます」
福の神はびんぼう神にきずくと
「なんだ、まだおったんか。
でてかんかったら力ずくでも追い出すぞ」
びんぼう神もまけて
おりません福の神に体あたりするがでっぷり太った福の神には
かないません。それを見ていた夫婦は「びんぼう神がんばれ〜」
と応援を始めた。「なんでびんぼう神を応援するんじゃ」
夫婦はびんぼう神と一緒にとうとう福の神を家の外に
追い出してしまった。
「中にいるのがびんぼう神で追い出された
わしは福の神どいうこっちゃ??」
頭をひねりひねりひきあげていった。
「わ〜いやったやった〜」そしてびんぼう神も
いっしょにお正月を祝った。それからというもの、
この家はあまりお金持ちにならんかったが、
元気にしあわせにくらしたそうな。
びんぼう神は今もずっとこの家の天井裏にいるそうじゃ。