戻る NO15 とんびとからす  NO16  たぬきと彦市へ

むかしむかし、鳥たちは、みんなまっ白じゃたそうな。
ある秋の日。村じゅうの鳥の家族がとんびどんとこの
稲刈りのお手伝いにやってきた。こゆうとき、
いつもおくれてくる鳥がおった。からすどんじゃった。
「寝すぎてしもうたんじゃ。おそうなってすまんのう
とんびどん。」からすどんは春の田植えのときも寝すぎておくれてきたのじゃった。夕方には、稲刈りもおわり、
鳥たちは子どもをつれて帰ろうと自分の子どもを
探すのだがみんな同じまっ白けで見分けが
つかんくて困った。間違えてつれて帰ってしまう鳥も
おった。そこでとんびどんはなんとかならんもんかと
考えた。「そうじゃあ、みんな白いからみわけがつかんが
からだに色をつけたらまちがえることはないかも
しれんぞ。」と思いついたのじゃった。さっそく、
とんびどんは花びらや草で染め汁をつくり、
じぶんの羽を茶色に染めてみた。
「お〜う、こりゃあ、なかなかいい感じゃ。よう〜し
村じゅうの鳥たちの羽を染めたろう」と思いつき
「みんな〜羽を好きな色に染めるんじゃ〜わしが
染めたるぞ〜染めたいもんはわしの家まで
集まってくれ〜」と知らせにまわった。
鳥たちはわれもわれもと、とんびどんとこに集まってきた。
「おらは赤にしてくれ」「おらは黄色がええな」
「おらは青色だ」とんびどんはいわれるままに
染めてやった。みな大よろこびじゃった
ところがこの村の大そうどうも知らず、まだねている
ねぼすけがおった。からすどんじゃった。からすどんは
きれいになったきじどんを見ておどろいた。
「わしもきれいな色に染めてもらわなきゃ」と
とんびどんの家へかけこんだ。とんびどんは朝から
ずっと染めつづけていたので、もうへとへとに
つかれておった。「からすどんはどんなふうに
染めればいいんじゃ?」「ぱ〜っとはでな色がいいな。」
ここんとこの羽は赤い色。こっちの羽は黄色い色と
いろいろこまかい注文をつけるもんで、とうとう夜が
あけてしもうた。「さいごのしあげは黒色できめようかの。たのむよ、とんびどん。」とんびどんはつかれた体で
黒の染め汁がはいった手おけを手にとったそのとき
ふらふらとよろけて中の染め汁を
からすどんにざぶ〜んとぶかっけてしまったのじゃ。
「ああ、せっかく綺麗に染まったおらのからだが
まっ黒け!じゃ。どうしてくれるんじゃ〜」

それからというもの、からすはとんびを見るたびに、
「なんして、おらの羽だけ黒くそめたんじゃ」と、くって
かかるようになったんじゃと。てなわけで今でも
からすはとんびをおいかけておこっとるんじゃとさ。