戻る NO10 カエルになったぼた餅 NO11どっこいだんごへ

むかしむかし、ある村に、あまり仲のよくない嫁さんと
ばあさまがおりました。二人は顔を合わせると
喧嘩ばかりしとったげな。
「嫁のくせに、なんておきるのが遅いんじゃろう」
「年よりは、用もないのに早おきするんじゃろう」
悪口のいいあいばかり。いそがしかった田植えが
終わったある日のこと「毎日、毎日いもがゆ
ばかりじゃでのう。たまには、うめえもんが
食いたいの〜田植えも終わったことだし
ぼたもちでもつくるべえ」と嫁さんがいいました。
いつも悪口ばかりいうばあさまも大喜び。
「ゆんべ、ぼたもちを食べる夢をみたんじゃが、
食べようとするとぼたもちが逃げていってしまうんじゃ」
「夢の中までぼた餅がでてくるとは食い意地が
はったばあさまじゃな。はっはは〜」

二人は仲良くいっしょにぼた餅をつくりはじめました。
米をたき、あずきをにて、米をつきます。もちをまるめて
あんこをつけます。「ちょっくら味みでもするかな」
「ばあさま一人で味みするのはずるいぞ〜」
「じゃあ二人でいっしょに味みするかや?」
二人は「うめ〜うめ〜」と口もきかずにパクパク
食べました。「も〜う食えね〜おなかがわれそうだ」
嫁さんは隣の部屋にいってしまいました。
一つだけぼた餅が残っていました。
ばあさまは、ぼた餅を鍋のなかにかくしながら
いいました。「ええか、ぼた餅。嫁さんの顔を見たら
カエルになるんだぞ」
このようすを嫁さんは
しょうじのすきまから見ていたのです。
嫁さんは次の朝早くおきると、ぼた餅を食べて
しまいました。「ああうまかった。ぼた餅のかわりに
カエルを入れとこ」嫁さんは鍋の中にカエルを
入れて知らんぷり。ばあさまは嫁さんが
田んぼにいったすきに食べようと鍋のふたを
開けました。カエルがぴょ〜んとびだしてきました。
ばあさまはにげだすカエルをおいかけます。
「これ、待て〜ぼた餅。わしじゃ、嫁じゃないぞ〜」
泣きべそじゃあ。田んぼに逃げ込んだカエルをみて
「わ〜んおらのぼた餅がおよいで逃げてしもうた〜」